2020年1月1日

羽仁もと子の言葉をお届けします 1月

新年の夢

夢をむすぶ幾度、むすんでは解け、とけては結ぶ。

その夢が円かになると、夢が形をとって現世に生まれ出る。

二葉のように、嬰児のように。

夢なくして新しい年を迎えてはならない。

他人の夢をわが夢と思いちがえてはならない。

わが願望の底から、静かにほのかに見えそめて来る、

いろいろの夢を見よう。年の始めに夢を見よう。

清き思いを与えたまえ、清き願望を与えたまえ、清らかな夢を見るように。

だんだんさやかになって来る夢を見るのは楽しみである。

夢をそだててゆくのは楽しみである。

自分一人の夢でなく、多くの友の夢がほしい。

清らかに結んだ夢が恵まれて、ことごとく現実になる夢を見よう。

 

昭和3年  思想しつつ生活しつつ(下)