2023年9月2日

「人の世は、生命(いのち)の展覧会だと、いつも私は思っています。」 9月 羽仁もと子のことば

 人の世は、生命(いのち)の展覧会だと、いつも私は思っています。・・・・

 

山を描いて、私たちをその山にひきつけてくれる人、あるいは楽しめる、

あるいは苦しめる人を刻んで、私たちの心に深く訴えてくれる人は、

その人自身ほんとうに山を知り、楽しめるもの苦しめるものに

同情を持っているのでなければ出来ないことです。

痛切にいえば、ほんとうに楽しい人のみが、

その楽しさをいろいろなものに現すことが出来、

苦しい人のみが、

その苦しさをほんとうにいろいろな場合に現すことが出来るのです。

・・・・・     

 そうしてこの生命(いのち)の展覧会は、

昔から流れて来た人の世の生命(いのち)の縮図です。

描いた人は小説家ではありません。

描いたのでなく、刻んだのでなく、生命(いのち)そのものです。

 

 

 

羽仁もと子著作集 悩める友のために(上)より 

われらすべての悩み ―巻頭の言葉ー