この世の光明の側について考えると、
すべての幸福が皆われわれの愛と同情から来ているのです。
私どもがもしも本当に人を愛することが出来たなら——
完全に愛するまでにゆかないまでも、
今より少しでも余計に愛することが出来たなら、
それだけ多くわれら自らが幸福になり、
また他を幸福にすることが出来ます。
さらに進んでもう少し余計に愛することが出来たなら、
自他の幸福がまたそれだけ余計になります。
羽仁もと子著作集 思想しつつ生活しつつ祈りつつ(上)「愛と寛容」より