2022年6月1日

 「最も楽しい事業」 ー羽仁もと子著作集よりー 6月

 田園の人は、きょう耕した畑に、あすは種をまこうと思って楽しく眠る。織りかけている機は、あすは終わるであろうと、ある人は待ち望む。市の人は朝早く起きて店を飾り(中略)その楽しい仕事のなかでも、多くの愛らしい赤ん坊が、よい子供に、よい大人に育って行こうとする仕事を、手伝ってやる仕事ほど、楽しい仕事はないだろう。自分の手のなかにある赤ん坊ばかりでなく、わが子、他人の子、世界中の揺籃を考えてみよう。そこに人生の涼しい青田がある。私たちはその農夫である。何という大きな事業であろう。何という楽しい仕事であろう。ー羽仁もと子著作集 家庭教育篇(上) 最も楽しい事業  巻頭の言葉より


ハート形の葉と十字架のような白い苞 ドクダミ